【2025本屋大賞】本好きがノミネート10作品を大予想|選出理由も詳しく解説します!
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今年もこの季節がやってきました。年に一度の本好きの本好きによる本好きのための祭典「本屋大賞」。
本屋大賞は全国の書店員さんの投票により受賞作品が決まりますが、その一次投票が例年通り2024年12月1日より開始されました。
この記事では、そんな2025年本屋大賞にノミネートされそうな候補10作品を予想するとともに、選出理由もインタビュー形式で詳しく語ります。
2025年本屋大賞の概要、スケジュール
2025年本屋大賞の発表はいつ?
まずは、2025年本屋大賞の実施要項とスケジュールを確認しておきましょう。
\ 2025年本屋大賞スケジュール /
日程 | イベント | |
---|---|---|
2024年 | 12月1日(日) | 投票スタート(小説部門、発掘部門、翻訳小説部門) |
2025年 | 1月5日(日) | 一次投票締め切り |
2月3日(月) | ノミネート10作品発表、二次投票スタート | |
3月2日(日) | 二次投票締め切り | |
4月上旬 | 発掘部門 結果発表 | |
4月9日(水) | 大賞作品、翻訳小説部門 結果発表 |
本屋大賞(小説部門)は12月1日より一次投票を受付開始。一次投票期間は1月5日まで。投票の結果、上位10作品をノミネート作品として発表。さらに2月3日より二次投票を実施し、4月9日に大賞が決まります。
実施要領やスケジュールはほぼ昨年と同じですね
2023年に休止されたノンフィクション部門は、
残念ながら今年も実施されないようです
2025年本屋大賞の対象作品は?
2025年本屋大賞の選出対象となる作品には以下の条件があります。
\ 2025年本屋大賞の対象作品 /
部門 | 対象作品 |
---|---|
本屋大賞(小説部門) | 2023年12月1日~2024年11月30日に刊行された日本の小説(判型問わずオリジナルの小説) |
翻訳小説部門 | 2023年12月1日~2024年11月30日に日本で刊行された翻訳小説 |
発掘部門 | ジャンルを問わず、2023年11月30日以前に刊行された作品 |
対象となる作品の条件も例年通りです
2024年に私が読んだ250冊のうち、対象条件に該当するのは約100冊。その中からノミネート候補作を10作品選出したいと思います。
本屋大賞ノミネート作品の傾向
2025年本屋大賞ノミネート候補10作品の予想を発表する前に、近年の本屋大賞ノミネート作品の傾向をおさらいしておきましょう。この傾向をもとに予想します。
ノミネートしやすい作品 | ノミネートしにくい作品 |
---|---|
一般ウケしやすいエンタメ作品 世界観に惹き込まれる感動の長編 人気作家は数年間連続で選出 | 純文学作品 本格ミステリ作品 難解な作品 |
ジャンル
本屋大賞はジャンルでいうと純文学、本格ミステリ、そして難解で一般ウケしにくい作品はノミネートしにくい、もしくはノミネートしても順位が伸びにくいという特徴があります。
昨年2024年は児童書からも選出されたように「売り場からベストセラーをつくる」というコンセプトに沿った、読書初心者にも読みやすいエンタメ寄りの大衆小説が中心となります。
作風
昨年2024年本屋大賞の上位作である「水車小屋のネネ」「存在のすべてを」に代表されるように、近年の上位作品は登場人物の心情描写を丁寧につむぎ、世界観に惹き込まれる感動の長編大作の票が伸びやすい傾向にあります。
1位の「成瀬は天下を取りにいく」は爽やかな青春小説なので、傾向から見ると少し特異な印象です。
作家
昨年2024年本屋大賞は10人中7人、2023年本屋大賞は10人中4人、2022年本屋大賞は10人中5人が以前に本屋大賞へノミネートした経験のある作家の作品が選ばれています。つまり、初ノミネートする作家はおおよそ10人中半数程度ということになります。
また昨年時点で青山美智子さんは4年連続、凪良ゆうさんと小川哲さんは2年連続と、人気の作家さんは何年も連続してノミネートする傾向にあります。(本屋大賞20年の歴史の中で13作品もノミネートしている伊坂幸太郎さんはレジェンド)
これらの傾向を踏まえて10作品を予想します
2025年本屋大賞ノミネート候補10作品の予想
お待たせしました。それでは2025年本屋大賞ノミネート候補10作品の予想をインタビュー形式で発表します。
語り手はわたくし管理人のるきです
インタビュアーは助手のつきが務めます
以下の会話はすべて管理人るきの頭の中で実施したものです。温かい目でお付き合いください。(シュール…)
①本命『人魚が逃げた』青山美智子
つき では早速ブックキュレーターのるきさんに、2025年の本屋大賞ノミネート候補10作品を予想していただきましょう。まずは、「この作品だけは絶対にノミネートする!」と自信のある本命作品を教えてください。
るき はい。まず1作目は青山美智子さんの『人魚が逃げた』(PHP研究所)です。青山さんは2021年から4年連続で本屋大賞にノミネート中ですが、いやー今年も仕上げてきましたね。童話「人魚姫」をモチーフにした連作短編で、やさしさを薄めずに原液で浴びているような濃密で心地よい作品です。青山さん×PHP研究所は「赤と青とエスキース」で2022年の本屋大賞2位にランクインした最強タッグの再来。過去作品に関連する方たちも物語にさりげなく登場し、青山作品ファンが歓喜する遊び心にあふれた演出も光ります。
②本命『生殖記』朝井リョウ
つき 青山作品5年連続のノミネート予想ですね。本屋大賞のレジェンドこと伊坂幸太郎さんも、第一回から5年連続のノミネートで5年目に大賞を獲っています。5回目の正直と言いますし(言わない)、本屋大賞受賞に期待ですね。他にも本命の作品はありますか?
るき 本命作品はもう一冊。朝井リョウさんの『生殖記』(小学館)です。2022年の本屋大賞で4位にランクインした「正欲」もかなり衝撃を受けましたが、今作はさらに斜め上をいきましたね。もはや「朝井リョウ」という一つのジャンルを築いています。タイトルから何となく想像できそうですが、まさかの語り手がアレなんですよね…。そんな素っ頓狂な語り手が読者に対して語りかけてくる内容は、小説の仮面をかぶった“朝井リョウの哲学書”と言っても過言ではないでしょう。今まで誰も読んだことのない問題作です。
③対抗『恋とか愛とかやさしさなら』一穂ミチ
つき 聞いているだけでも斬新ですね…。内容が気になります。では次に、本命作品に匹敵する対抗作品はありますか?
るき はい。対抗作品の一冊目は、一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』(小学館)です。「ツミデミック」で2024年上半期の直木賞を受賞した一穂さん。いま一番勢いのある作家と言っても差し支えないでしょう。そんな一穂さんが今回描くのは、プロポーズの翌日に盗撮で捕まった恋人との恋愛小説。罪を犯した当事者ではなく、その恋人視点というのがポイントですね。この究極のシチュエーションはニクい。誰にでも誤りはあるけれど、出来心で犯した罪をあなたなら許せるか。一度揺らいだ信頼は元には戻らない。この行き場のない感情の表現力はさすが。これは人生の選択の物語です。
\ 大切な人が犯罪者になっても変わらず愛せますか? /
④対抗『カフネ』阿部暁子
つき なかなか重たそうなテーマですね…。さて、他にも対抗作品はありますか?
るき もう一作は阿部暁子さんの『カフネ』(講談社)です。カフネとはポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ」という意味。離婚や弟の死で自暴自棄に陥っている女性が、家事代行のボランティアを通じて人生を再生していく救済の物語です。全四章での起承転結が美しく、まるで感情のジェットコースターに乗っているようでした。ちょっとヘビーでじんわり温かい、色々つまって複雑で味わい深い作品です。全国高校生文芸コンクールで最優秀賞を獲得した実力派作家の筆圧を見せつけられました。
⑤青春『アルプス席の母』早見和真
つき うーむ、対抗の2作品も非常に興味深いですね。次は昨年大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」のような青春ジャンルからはいかがでしょうか?
るき 青春作品では早見和真さんの『アルプス席の母』(小学館)が超絶おすすめです。高校球児を育てる母親の目線から描いた青春全力応援小説ですが、これはアカン…。全おかんが泣くやつですわ(急に関西弁)。父母会の謎マウントや指導者への不信感などキラキラした青春要素だけではない黒い部分も描かれており、読者も一緒に手に汗を握りながら戦い、共感しまくること請け合い。今も昔も子を想う親の気持ちって尊いですよね。この本は自分の母親にも贈ったのですが、読みながら号泣したみたいです。
⑥新星『禁忌の子』山口未桜
つき なんと!るきさんのお母様のお墨付きとは心強い。次も昨年デビュー作で見事に天下を取った成瀬さん(注:作者は宮島未奈さん)のように、近年は新進気鋭の作家の躍進も目立ちます。ずばり、今年の新星作品はいかがでしょうか?
るき 今年も楽しみな新人作家さんがたくさんデビューしています。その中でも特筆すべきは、山口未桜さんの『禁忌の子』(東京創元社)ですね。発売以降SNSでは見ない日がないほどの注目度で、書店では品切れが相次ぎました。これはデビュー作では異例の事態です。現役医師でありながら有栖川有栖さんのもとで修行したという山口さん。自分と瓜二つの死体の謎を追う本格医療ミステリで、読む手を止めさせない筆力はさすがのひとこと。抜群のストーリーテリングで、見事に賛否両論のある”禁忌”を描き切りました。
⑦新星『死んだ山田と教室』金子玲介
つき SNSの盛り上がりは今でも続いていますね。他にも注目の新人作家さんの作品はありますか?
るき 金子玲介さんの『死んだ山田と教室』(講談社)も最高のブロマンス小説でした。そもそも死んだ山田が教室のスピーカーに憑依するって、冷静に考えると素っ頓狂な設定なんですよ。あのスピーカーですよ!?音の出るやつ(それ以外ない)。そんなシュールな状況の中、男子校のくだらないノリが笑えると思いきや、油断してるとまさかの涙腺やられます。この寒暖差の調整がすごい。ラストもなかなかのインパクトで、どこぞの海賊王のような終わらせ方は斬新。忘れるのが難しい印象的な作品です。
⑧ダークホース『海を破る者』今村翔吾
つき 勢いのある新人作家さんの登場は、読書界隈の未来にとっても明るい話題ですね。では次は視点を変えて、ダークホースとなるような不気味な存在の作品はありますか?
るき ダークホースと呼ぶには忍びないのですが、今村翔吾さんの「海を破る者」(文藝春秋)です。なぜダークホースかというと、歴史小説は本屋大賞との相性が良くないから。しかし、本作は読みやすくて普段このジャンルを手に取らない方でも、歴史小説が面白いと思える一冊です。歴史の教科書で一度は耳にしたことがあるであろう「元寇」に尽力した河野家の物語であり、直木賞「塞王の楯」に負けず劣らずこれぞ今村翔吾の真髄と呼べる超大作。歴史小説ジャンルでも本屋大賞に推したい作品です。
⑨推し『籠の中のふたり』薬丸岳
つき ふむふむ、本屋大賞は殿(今村翔吾さんの愛称)にとって悲願と著書の中でおっしゃっていたので結果が楽しみですね。さて、ここまで8作品。残りの2作品は、るきさんの好みで選んでいただきましょう。ずばり、推し作品を教えてください!
るき ここまでも個人的な好みで選んだ感は拭えませんが……。残り2作品は毎年恒例、本屋大賞の傾向を度外視で選びたいと思います。まずは薬丸岳さんの「籠の中のふたり」(双葉社)です。本作は罪を犯して服役していた”いとこ”と久々に再開するというストーリーですが、信頼と思いやりに満ちた優しい物語でした。他人事だと思っていたことが、いつのまにか自分事に。読み進めるにつれて、ぐんぐん惹き込まれる社会派ミステリです。個人的にこういうタイプのヒューマンドラマは大好きで、本書に出会えてよかったと思いました。
⑩推し『いつか月夜』寺地はるな
つき 読み応えがありそうな作品ですね。さて、ついに次で最後の作品となります。張り切ってどうぞ。
るき 最後の一冊は迷いに迷いましたが、私の大好きな寺地はるなさんの『いつか月夜』(角川春樹事務所)を推したいと思います。「夜道をただ散歩する物語」と言うと恩田陸さんの名作を彷彿とさせますが、本書はそんな名作にも匹敵する令和版 大人の夜のピクニックと言える作品です。「何者にもならなくていい」「自分が納得する自分らしい生き方をする」「人と比べる必要はない」といった自己肯定感を大事にする登場人物たちの生き方から、読者一人ひとりに響く言葉がきっと見つかるはず。穏やかで優しい一冊は、寺地はるなさんの新たな代表作になると確信しています。
ノミネート候補外と予想した次点作品
つき 10作品が出そろいましたね!お疲れさまでした。それぞれの作品の詳しい紹介は次章で行うとして、惜しくもノミネート候補外とした作品と、その理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?
るき まず近年ノミネートしている作家さんの作品はすべて迷いましたね。町田そのこさんの『わたしの知る花』(中央公論新社)や呉勝浩さんの『法廷占拠 爆弾2』(講談社)は最後の最後まで当落線上でした。ただ、どうしても町田さんは過去の大賞受賞作、呉さんは前作との比較になってしまい、読者のハードルも上がっていることから選考外としました。
つき なるほど。
るき 宮島未奈さんの『成瀬は信じた道をいく』(新潮社)も連覇を狙えるほどの出来ですが、凪良ゆうさんの星シリーズがあの完璧な完成度で昨年思いのほか票が伸びなかったので、シリーズ作品での連覇は相当高い壁であることがわかり選考外としました。また近年は社会派ミステリの人気が高いので柴田哲孝さんの『暗殺』(幻冬舎)も迷いましたが、題材的に投票を躊躇される懸念があり選考外としています。
つき いずれも素晴らしい作品ですが、本屋大賞の傾向から予想して選考外にしたということですね。
るき そうですね。必ずしも話題になった作品がノミネートするわけではないということです。池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』(文藝春秋)もランナーの機微を描いた素晴らしい青春スポーツ小説ですが、抜群の知名度でレジェンド的な作家の作品は本屋大賞にはノミネートしにくいと予想します。それは読書の裾野(すその)を広げるという本屋大賞の設立趣旨にも関係しますが、知名度がなくても良書を埋もれさせてはいけないという書店員さんの心情も票に反映されると思うからです。ここで名前を挙げた作品、それ以外の作品も素晴らしい読書体験ができる本が今年もたくさん刊行されているので、この記事をきっかけに本に興味を持っていただけると嬉しいですね。
つき 解説ありがとうございます。今回選んだ10作品の予想について、ずばり自信のほどはいかがでしょうか。
るき 昨年は10作品中5作品、一昨年は10作品中7作品は的中したので、今年は間をとって6作品を目指します。と言いたいところですが、自分の読んだ本の中から選出したこと、自分の願望も込めた好みの作品から選出したことにより自信はまったくありません!ただ今年もたくさん新刊を読むことができ個人的には満足な一年であったので、2月3日のノミネート作品発表をドキドキワクワクしながら待ちたいと思います。
つき シュールな一人インタビューの開催をありがとうございました。
2025年本屋大賞ノミネート候補10作品の感想・あらすじ
では、前章で選出した10作品の詳しい感想やあらすじを紹介します。
\ ノミネート予想10作品一覧 /
\ 作品の詳細はタブを切り替えて下さい /
\ PHP研究所との最強タッグで総集編と言える完成度 /
ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。
タイトル | 人魚が逃げた |
著者 | 青山美智子 |
出版社 | PHP研究所 |
単行本発売 | 2024年11月 |
キーワード | 人魚姫、過去作品 |
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- ほのぼの
- 4
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- ドキドキ
- 3
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- ウルウル
- 5
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- ズッシリ
- 3
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- スッキリ
- 5
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