【感想あらすじ】『曽我兄弟より熱を込めて』坂口螢火｜古典を楽しく学べる歴史小説

日本三大仇討ちのひとつ「曽我事件」を引き起こした曽我兄弟。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」やゲーム「刀剣乱舞」に登場し、一躍有名になりました。

そんな曽我兄弟を描いた古典「曾我物語」を講談調でわかりやすく学べる歴史小説をご紹介します。

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この記事は、幻冬舎様よりご献本いただいて執筆しています。

『曽我兄弟より熱を込めて』の概要

『曽我兄弟より熱を込めて』のあらすじ・登場人物・感想を紹介します。

あらすじ

時は平安から鎌倉へ移り変わる時代。

本書は日本三大仇討ちのひとつ「曽我事件」を描いた史実に基づく歴史小説です。

古典である「曾我物語」の入門書として、“サラリーマンが通勤列車で読める古典”を目指して書かれたとのこと。

非常に読みやすいのが特徴です。

曽我兄弟は、日本で1番美しく有名な仇討ちを行った兄弟として知られています。

父を討たれたことにより、幼少期から結束を固め、18年もの歳月をかけた兄弟の執念の復讐劇は見どころが満載。

共に成し遂げ共に散ったことで人々を魅了し、江戸時代には大人気の歌舞伎題材にもなったとのこと。

本書では、そんな「曽我兄弟が仇討ちを果たすまでの物語」がつづられています。

登場人物

『曽我兄弟より熱を込めて』を読み進めるうえで、押さえておきたい主要登場人物を紹介します。

曽我兄弟

名前	概略
曽我十郎祐成すけなり	曽我兄弟の兄。幼名は一萬。色白く、細身な体つき。優美な顔立ちで勉強熱心。歌や舞の名手で性格も冷静。
曽我五郎時宗ときむね	曽我兄弟の弟。幼名は箱王。背が高く、がっしりした体つき。声も野太く怪力。気が短く暴れ馬のような男。
河津三郎	兄弟の父。一萬5歳、箱王3歳のときに宿敵・工藤祐経の刺客に討たれる。
満江まんこう	兄弟の母。復讐をたくらむ兄弟の身を案じて、結束の強い二人を引き離す。

宿敵

名前	概略
源頼朝	ときの将軍。私怨により曽我兄弟につらく当たる。
工藤祐経すけつね	兄弟の父・三郎を討った宿敵。頼朝の寵臣。

刀

名前	概略
微塵丸みじんまる	兄・十郎の刀。木曽義仲も愛用していた名刀。
膝丸ひざまる	弟・五郎の刀。源義経も愛用していた妖刀。

感想

本書を読むまで私は曽我兄弟を知りませんでしたが、読み終えたときにはすっかり兄弟の虜に。

歴史上の話なので復讐を果たすことと、その後すぐに命を落とす結末は最初からわかっています。

それでも作品をエンタメとして楽しむことができるのは、著者のわかりやすい解説と熱量によるところが大きい。

当時の暮らしを知ることのできるコラムもクスッと笑えました。

歴史に興味を持つきっかけとして、大人から子供までぜひ手に取ってほしい作品です。

『曽我兄弟より熱を込めて』の書籍情報

『曽我兄弟より熱を込めて』の書籍情報と、著者「坂口螢火」さんについて紹介します。

書籍情報

「伝え残したい古えの心、今ふたたび」
曽我兄弟遺跡保存会会長 久保寺公雄氏推薦。

妖刀・膝丸の主としても注目の曽我十郎祐成・五郎時宗兄弟。
どんな困難にもめげず、父の仇討ちを果たして散った若き二人の物語が
講談調の語りと徹底した時代考証で鮮やかに蘇る！
鎌倉期の生活や文化に関する解説も満載の一冊。

幼くして理不尽に父を失った曽我兄弟。
仇討ちが禁じられた鎌倉殿の時代、どんなに世間から虐げられても、
その志を砕くことはなかった。
はたして彼らの運命は如何に――。
一心同体の兄弟愛、揺るぎない信念の美しさ。
歌舞伎や講談の題材として800年にわたり愛された若武者たちの実像。

Amazonより引用

著者『坂口螢火』について

著者の坂口螢火（さかぐちけいか）さんは元・小学校教員。

昨今の歴史離れを危惧して執筆活動をしているそうです。

多くの参考文献を紐解き、おもしろく且つわかりやすく、そして正確に歴史を伝えようとする伝道師としての熱意を強く感じました。

ご献本に際して、坂口先生ご本人より直筆のお手紙もいただきました。

歴史への熱い想いと、丁寧な人柄が伝わってきて感激です。

坂口先生は歴史に関するブログを
運営されています。

まとめ：『曽我兄弟より熱を込めて』は古典を楽しく学べる歴史小説

『曽我兄弟より熱を込めて』はもともとkindleにて電子書籍で出版されていた作品です。

その後、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」やゲーム「刀剣乱舞」などによって、曽我兄弟の名が知れ渡ったのを機に2023年に書籍化に至ったものとお聞きしました。

「〇〇に熱を込めて」シリーズは他にもあるので、歴史に興味を持つきっかけとして大人から子供まで手に取ってほしい作品です。

『曽我兄弟より熱を込めて』について

『曽我兄弟より熱を込めて』はどんな本？

日本三大仇討ちのひとつ「曽我事件」を描いた史実に基づく歴史小説です。

“サラリーマンが通勤列車で読める古典”を目指して書かれており、非常に読みやすいのが特徴。

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曽我兄弟とは？

1193年（鎌倉時代）に曽我事件を起こした、曽我十郎祐成すけなりと曽我五郎時宗ときむねの兄弟のこと。

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『曽我兄弟より熱を込めて』はどんな人におすすめ？

• 大河ドラマや歴史小説が好きな方
• 歴史に苦手意識のある方
• 曽我兄弟や曽我事件について詳しく知りたい方

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『曽我兄弟より熱を込めて』はいつ発売された？

2023年1月30日に幻冬舎より発売されました。

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著書の坂口螢火さんはどんな人？

• 東京都大田区出身
• 駒澤大学 歴史学科を卒業
• 元小学校教員
• 主な著書に『忠臣蔵より熱を込めて』など

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関連書籍

坂口螢火さんの歴史小説『○○に熱を込めて』シリーズを一覧で紹介します。

書籍	タイトル	出版社	発売年月	kindle読み放題
	忠臣蔵より熱を込めて	つむぎ書房	2021年10月	対象外
	平家物語より熱を込めて[上巻]	kindle出版	2022年3月	対象
	平家物語より熱を込めて[下巻]	kindle出版	2022年7月	対象
	山中鹿之介と尼子十勇士より熱を込めて[上巻]	kindle出版	2022年7月	対象
	山中鹿之介と尼子十勇士より熱を込めて[下巻]	kindle出版	2022年7月	対象
	曽我兄弟より熱を込めて	幻冬舎	2023年1月	対象外

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