ブックレビュー|『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ(新潮社)
![ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー](https://rukibooks.com/wp-content/uploads/2021/07/4efdc4a48eb5326e23f0b322987b1962.webp)
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この記事でわかること
- 本の概要
- 管理人るきの独自採点
- 読書目安時間
- この本をオススメする人
- この本の次に読むオススメ本
今回は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ 著(新潮社)をレビューします。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ってどんな本?
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のスペック
タイトル | ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー |
著者 | ブレイディみかこ |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2019年6月21日 |
ページ数 | 256ページ |
キャッチコピー | 読んだら誰かと話したくなる、一生モノの課題図書 |
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の内容
ポップな装丁。
おしゃれなタイトル。
まるで小説のような見た目ですが、落涙必至の社会派ノンフィクションです。
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舞台はイギリス!
日本人である著者・ブレイディみかこさんと
その配偶者であるアイルランド人との間に生まれた、息子くん。
彼が、イギリスの中流階級民が通うカトリック系の小学校より、
ひょんなことから地元の”元”底辺中学校に進学するところから、物語は始まります。
(なぜ”元”が付いているかは、本編をお楽しみください)
タイトルの『ぼくはイエローでホワイトで…』は、アジア人(イエロー)と白人(ホワイト)の混血である著者・ブレイディみかこさんの息子くんを表現したもの。
『ちょっとブルー』は感情を表していますが、この「ブルー」の使い方が本書のキーポイントです!
タイトルがとっても秀逸!
扱っているテーマは、
イギリスの階級社会、人種差別、教育格差など
ちょっと重たいものばかり…
でも、著者のユーモラスな文体がそれを感じさせず、
イギリスのリアルな生活ぶりと、
社会の闇がよく映し出されています。
アジア人としての側面と、欧州人としての側面を両方持ち合わせる、
あるいは、どちらにも帰属しないことを、
多感期の息子くん視点から問題提起され、
多様性やアイデンティティについて親子で考えていくという展開。
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多様性とか、アイデンティティとか、よくわかりません…
って方もいらっしゃると思いますが、問題ありません!
捉え方はひとそれぞれ。
読み終えたときには、きっと感じるものがあるはずです。
そして、息子くんが自分なりの答えを見つけ出して成長していく様が、
とても思慮深く、爽快。
非常に読みやすく、多くの学びのヒントを与えてくれる良書です。
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ぜひ親子でご覧ください。
著者 ブレイディみかこについて
- 1965年生まれ、福岡県福岡市出身
- 保育士、ライター、コラムニスト
- 1996年から英国ブライトン在住
- 社会派な内容の著書多数
ブレイディみかこさんは、音楽好きが高じて高校卒業後にアルバイトと渡英を繰り返す。
1996年からロンドンの南方、フランスとの対岸に面するイギリスのブライトンに移住し、
ロンドンの日系企業で数年間勤務。
その後、イギリスで保育士資格を取得し、「最底辺保育所」で働きながら、
ライター活動を始める。
イギリス在住歴は20年超。
海外生活を通じてご自身が体験された、差別や貧困など
社会的な内容の著書が多数あります。
どれもとてもわかりやすく、読みやすいことが特徴です。
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ブレイディさんのつづる、ユーモアたっぷりで
おちゃめな文章が大好きです!
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の採点
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のるきスコア
![『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のるきスコア](https://rukibooks.com/wp-content/uploads/2021/07/ec_no.3_2-1024x576.jpg)
![『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のるきスコア](https://rukibooks.com/wp-content/uploads/2021/07/ec_no.3_2-1024x576.jpg)
- すべての大人
- 海外留学に行く前の学生の方
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』からの学び
日本人の多様性リテラシー
英国は、日本と同じ島国でありながら移民の多い国です。
日本では見渡せば周りはほとんど日本人であり、
「みんなと同じ」ことに美徳を感じる閉鎖的な感性が少なからずあります。
そのため、ナショナリズムを意識することが少なく、
なかなか多様性のリテラシーが育ちません。
なぜなら、日本人以外と触れる機会が圧倒的に少ない環境がそうさせており、
一種の外国人アレルギーのようなものが蔓延しているのだと思います。
日本人ニーハオ問題
例えば、混血の方を”ハーフ”と表現することは日本では一般的ですが、
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なんで半分なの?
と、この表現を良く思わない方もいます。
本書のエピソードでも紹介されておりますが、
自分が意としていなくても差別発言と捉えられることも、
また逆も然りです。
海外で突然「ニーハオ」と話しかけられて、
不快に感じる方がいらっしゃるのと同じ感覚かと思います。
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日本人なのに…
私たちがフランス人か、スペイン人か見分けがつかないのと同じで
悪気はないんですけどね。
キーワードは「エンパシー」
人種、貧困、正義、ジェンダー。
今でも世界中にあふれる複雑化した様々な差別。
ただ、差別は単に無知からくる、だから克服できる、
と著者は言います。
では、私たちはどうしたら克服できるのか?
それは「エンパシー」です。
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エンパシーってなに?
「エンパシー」とは、他人の立場にたってみる。
すなわち、「他者の痛みを理解する力」です。
この本を一冊読み終えて、私は少なくとも20か所くらい
ハッとする発見がありました。
多様性を認める感性。
そして、エンパシー。
この本は、多くの大人に読んで欲しいと思いますし、
大人が知っておくべきことが書かれた良書と巡り会えたことに感謝です。
まとめ
- イギリスを舞台にした社会派ノンフィクション
- 日本で生活していると気づけないような世界のリアルがわかる
- 多様性やアイデンティティについて考えさせられる
- 教育的にも優れた親子で読みたい一冊
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の次に読むオススメ本
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の
キーワードにもなっている「エンパシー」。
『コンビニ人間』では直接的に明記されている訳ではありませんが、
エンパシーの重要性について考えさせられます。
この作品を読んだ後には、あなたの「普通」という概念が変わります!
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では、また次の本でお逢いしましょう♪
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