ブックレビュー｜『魔法のコンパス』西野亮廣（主婦と生活社）

この本を読めば、今の人生に満足していない方でも、なにか人生を変えるような挑戦をはじめる勇気がもらえ、キングコング西野亮廣さんに、その背中を押してもらえます。

この記事でわかること

今回は『魔法のコンパス』西野亮廣 著（主婦と生活社）をレビューします。

『魔法のコンパス』の内容

この本でわかること

西野亮廣の原点

『魔法のコンパス』はキングコング・西野亮廣さんが執筆した「最初のビジネス書」です。

本書には、西野さんが25歳の時に「はねるのトびら」で芸人としての挫折を経験されてから、絵本作家やオンラインサロンオーナーとして活動の幅を広げて活躍されている、今日に至るまでの経緯や考え方が書かれています。

2021年現在で、堀江貴文さんとの共著も含め6冊のビジネス書を出版されていますが、西野さんの本を読んだことがない方は、手始めに「著者の原点」ともいえる本書から読むことをオススメします。

常識を疑え！

本書では、全体を通して、

「時代はどんどん変わっているから、今までの考え方に縛られるな。常識を疑え！」

という、著者の強いメッセージ性のある文章が特徴的です。


例えば、「生徒が話を聞かなくなるから」という理由で、授業中にスマホの使用を禁止している学校。

でも、西野さんの意見は違います。

スマホの使用を禁止する前に、

発声の訓練をして、

人を惹き付ける喋りの訓練をして、

人を惹き付けるビジュアルの努力をして、

ショーの世界を覗いて勉強をして、

手や身体の振り方を研究して、

今の流行りを言えるようになることが先じゃないかな？

『魔法のコンパス』西野亮廣 著（主婦と生活社）より

ただ単純に、授業よりスマホに興味があるので、生徒は面白いほうに流されているだけ。

授業を聞いてもらえるのが「当たり前」ではなく、

先生は授業のプロなんだから、生徒に聞いてもらえるように最大限努力してますか？


というのが、著者の主張。

これを読んで、ふと吉野敬介というおかしな塾講師のことを思い出しました。

彼は授業中に全く関係のない雑談の時間を必ずとり、私はサテライトの静かな教室で笑いをこらえながら肩を震わせていました。

いつも雑談が楽しみで、そのついでに授業も聞いていたので、受験生の大事な時間を雑談に費やすのは、それはそれで彼もプロフェッショナルだったのかもしれません。

 
もちろん賛否両論ありますが、どちらが正しいということではなく、

大切なことは「常識にとらわれずに物事を考える」こと。


日本では「我慢が美徳」という感覚が少なからずありますが、

社会の枠組みに当てはめるのではなく、生きやすいように社会の枠組みを変えるほうが、面白い世の中になると思いませんか？


このように、本書では具体例を挙げて「常識を疑う」ことの重要性を説いており、頭の柔らかい若者だけでなく、絵本の売り方の話などビジネスマンの読者にとっても、とても興味深い話が満載です。

道なき道の歩き方

今までの日本は、「勉強して良い大学に入り、大企業に就職して、定年まで働く」ことを目指す。

そんな、画一的な価値観がありました。


でも、令和の時代。

みなさんもすでにお気付きのように、社会の多くの人がそんな価値観に疑問を抱き始めています。

本書の副題は「道なき道の歩き方」。

周りの優等生は「迷走してるの？」と笑うかもしれません。

でも著者は、こう言います。

「うん。迷走してるよ。キミみたいに、誰かが舗装してくれた道を歩いてないからね」


この本を読めば、新しいことを始めたくなり、失敗してもいいのでワクワクした人生を送りたくなってきます。

興味のある方はぜひこの本を読んで、道なき道を歩いてみてはいかがでしょうか？


コンパスは「あなたの強い信念」です。

著者 西野亮廣について

西野亮廣（にしのあきひろ）さんは、お笑いコンビ「キングコング」の言わずと知れた人気芸人。

私は昔からお笑いが大好きなので、西野さんが関西でダンスユニット「WEST SIDE」のメンバーとして活動している頃から、よく漫才を見ていました。


その後、職業としての”芸人”から、絵本作家、著作家、講演家、または2021年現在では6～7万人の会員数を誇る、日本最大級のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」へ活動の軸を徐々に移します。

そして、2021年には吉本興業を退社。


西野さんの活動をよく知らない方は、炎上芸人のイメージがあるかもしれません。

でも、その活動を知れば知るほど見えてくることは、一貫して「世の中に面白いものを提供しよう」としていること。

非常にアタマがキレる「稀代のエンターテイナー」であることがわかります。

まとめ

『魔法のコンパス』の次に読むオススメ本

『魔法のコンパス』を読んで、「面白かった」と感じた方は、次は絶対に『革命のファンファーレ』を読むべきです。

この本は、西野さんの代表作である絵本『えんとつ町のプペル』の販売戦略の話に加え、なんと『革命のファンファーレ』の販売戦略の話が中心に語られています。


！？


そう、まさかの「今あなたが読んでいる本はこういう戦略で売りますよ」という斬新な内容。

これを読めば、あなたも西野信者一直線です！