人気投票で決める伊坂幸太郎おすすめランキング2024【計411票】全45作品からベスト10を決定!
独特の世界観とユニークな文体で、多くの読者を魅了している伊坂幸太郎さん。2000年の『オーデュボンの祈り』でデビューして以来、最新作の『777』まで刊行された作品は実に45作品。言うまでもなく日本を代表するヒットメーカーの1人です。
で、結局どの作品が一番人気なの?
伊坂ファンからすると禁断であるこの質問。答えが気になって気になって、夜と仕事中しか爆睡できない体になってしまったので、伊坂好きを自負する精鋭たちにご協力いただきX(Twitter)で企画を行いました。その名も、
某有名文学賞を彷彿とさせるネーミングセンスはさておき、有効投票数はなんと411票。この記事では伊坂幸太郎大賞の結果をランキング形式で紹介します。どの本から手に取ればよいか迷ってしまう方は、この記事を参考にしてください。あなたにピッタリの一冊が見つかるはず。では早速いきましょう!
伊坂幸太郎大賞とは
伊坂幸太郎大賞とはX(Twitter)のタグを使って、伊坂作品愛好家たちから投票を募集した企画。いわゆる「読書家が選ぶ伊坂幸太郎おすすめ人気ランキング2024」である。
- 「#伊坂幸太郎大賞」のタグをつけて投稿
- 全45作品の中から1人最大3作品まで投票
- 投票期間は2024年6月15日〜23日までの9日間
「全作品好きなのに3冊しか選べないの?」という伊坂作品3冊に絞るの反対委員会からのお叱りを受けつつも、なんと411票も投票をいただきました。たくさんの投票・拡散にご協力いただきありがとうございました。
今回はその中から上位10作品をランキング形式で発表していきます。ぜひお楽しみあれ。
伊坂幸太郎おすすめランキング結果発表
お待たせしました。伊坂幸太郎大賞の発表です。
10位から1位の順番に発表していきます!
第10位『ラッシュライフ』(14票)
第10位は群像劇の『ラッシュライフ』。数ある伊坂作品の中でも「一番緻密にプロットが設計されている隠れ名作」と、コアなファンからの評価が高い初期作品(ワイ調べ)。4つの視点で物語が並走し、やがて合流する時には「え、待って」と自分のさじ加減で何とかなりそうな言葉しか話せなくなります。2回目を読んでもまた違った視点で楽しめるのは、名作が名作たる所以(ゆえん)ですね。
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タイトル | ラッシュライフ |
出版社 | 新潮社 |
単行本刊行 | 2002年7月 |
文庫本刊行 | 2005年5月 |
シリーズ作 | なし |
映画化 | 2009年6月 |
オーディオブック | 対象外 |
-
- プロット
- 5
-
- キャラクター
- 3
-
- 伏線回収
- 5
-
- ユーモア
- 4
-
- シリアス
- 3
第9位『チルドレン』(18票)
第9位は連作短編の『チルドレン』。伊坂作品の中でキャラクターの人気投票をすれば、確実に上位に入ってくるであろう「陣内」という強烈なキャラが本書の主人公。天下を取った成瀬あかりもビックリな存在感を放ちます。彼のなんとも言えない無遠慮な屁理屈が、居酒屋の塩キャベツよろしくやみつきに。つい陣内の次のセリフが待ち遠しくなってしまうほど。定期的に読み返したくなる魅力のつまった作品ですね。
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タイトル | チルドレン |
出版社 | 講談社 |
単行本刊行 | 2004年5月 |
文庫本刊行 | 2007年5月 |
シリーズ作 | サブマリン |
映画化 | 2006年11月 |
オーディオブック | 対象外 |
-
- 破天荒
- 5
-
- キャラクター
- 5
-
- 伏線回収
- 3
-
- ユーモア
- 4
-
- シリアス
- 3
第8位『陽気なギャングが地球を回す』(20票)
第8位は人気シリーズの『陽気なギャングが地球を回す』。伊坂作品随一のエンターテインメント性に優れた作品です。それぞれに特殊能力を持った個性派揃いの銀行強盗4人組が主人公。忘年会の出し物くらいのノリで銀行強盗をこなしてしまうので、読者も楽しくなっちゃいますね。サスペンスとコメディの要素が絶妙に組み合わさった、独創的なユルクライム・ノベル(ユルい犯罪小説)と勝手に呼ばせていただきます。
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タイトル | 陽気なギャングが地球を回す |
出版社 | 祥伝社 |
単行本刊行 | 2003年1月 |
文庫本刊行 | 2006年2月 |
シリーズ作 | 陽気なギャングシリーズ |
映画化 | 2006年5月 |
オーディオブック | 対象外 |
-
- エンターテインメント
- 5
-
- キャラクター
- 5
-
- 伏線回収
- 4
-
- ユーモア
- 5
-
- シリアス
- 3
第7位『オーデュボンの祈り』(23票)
第7位はデビュー作の『オーデュボンの祈り』。「人語を話すカカシが殺される物語」とあらすじを書くと「ふぁ!?」と人語にならない音が漏れそうな一冊。この作品がもつ独特な世界観は伊坂ワールドと(私に)呼ばれており、ファンタジーでありシュールな一風変わった初期作です。なにを隠そう、2010年頃に初めて本書で伊坂作品を読んだ青年るきは伊坂ワールドに衝撃を受け、「オーデュボンの祈りが面白すぎる」と当時mixiで布教活動を行っていました。それ以来ずっと伊坂作品の虜。私にとって思い入れの強い作品です。
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タイトル | オーデュボンの祈り |
出版社 | 新潮社 |
単行本刊行 | 2000年12月 |
文庫本刊行 | 2003年12月 |
シリーズ作 | なし |
映画化 | 対象外 |
オーディオブック | 対象外 |
-
- シュール
- 5
-
- キャラクター
- 4
-
- 伏線回収
- 4
-
- ユーモア
- 4
-
- シリアス
- 4
第6位『重力ピエロ』(26票)
第6位はミステリー要素の色濃い『重力ピエロ』。この作品もファンが多いですね。伊坂作品はシリアスな場面にユーモアを交えた絶妙なアンバランスさが魅力のひとつ。ですが本作はテーマが結構重めで、陰か陽で言えば陰の要素が強い伊坂作品には珍しい雰囲気をまとった作品。その中でも家族の絆や温かみが感じられるのが良いですね。「春が二階から落ちてきた」という書き出しが特徴的ですが、なんと締めの一文も「春が二階から落ちてきた」なのです。うーむ、おしゃれ番長。
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タイトル | 重力ピエロ |
出版社 | 新潮社 |
単行本刊行 | 2003年4月 |
文庫本刊行 | 2006年7月 |
シリーズ作 | なし |
映画化 | 2009年5月 PrimeVideo U-NEXT |
オーディオブック | 対象外 |
-
- 家族の絆
- 5
-
- キャラクター
- 4
-
- 伏線回収
- 5
-
- ユーモア
- 3
-
- シリアス
- 5
第4位『砂漠』(30票)
次は第5位ですが、同票だったので繰り上げ4位の『砂漠』。大学で出会った男女5人の青春物語です。オレンジデイズみたいなキラキラした学生生活が描かれており、個人的に読後のカタルシスは伊坂作品の中でNo.1。特に卒業式の学長の名言には感動しましたね。余韻も最高。ずっとこの世界観に浸っていたくて、読んだ当時はしばらく浴槽に砂漠の文庫本を100冊ほど放り込んでブックバスに浸ってみました。……なんてことは、まるでない。
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タイトル | 砂漠 |
出版社 | 実業之日本社 |
単行本刊行 | 2005年12月 |
文庫本刊行 | 2010年7月 |
シリーズ作 | なし |
映画化 | 対象外 |
オーディオブック | audible ※聴き放題対象外 |
-
- 青春
- 5
-
- キャラクター
- 5
-
- 伏線回収
- 3
-
- ユーモア
- 4
-
- シリアス
- 3
第4位『死神の精度』(30票)
次も同票4位の『死神の精度』。主人公は死神の千葉。この千葉が職業・死神として仕事熱心なところが最高に面白い作品ですね。人間の比喩的な表現が理解できない彼の間の抜けた噛み合わない会話がユーモアに富んでいて、「ミュージック」というワードだけでなんだか笑えてきます。死神の特性を活かした仕掛けも心地良い。でも油断していると後半の展開に少し面食らうかも。
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タイトル | 死神の精度 |
出版社 | 文藝春秋 |
単行本刊行 | 2005年6月 |
文庫本刊行 | 2008年2月 |
シリーズ作 | 死神シリーズ |
映画化 | 2008年3月 PrimeVideo |
オーディオブック | 対象 audible |
-
- 設定
- 5
-
- キャラクター
- 5
-
- 伏線回収
- 4
-
- ユーモア
- 5
-
- シリアス
- 3
第3位『アヒルと鴨のコインロッカー』(33票)
いよいよベスト3の発表です。第3位は『アヒルと鴨のコインロッカー』。広辞苑を盗むために本屋を襲うという開いた口が塞がらずに顎関節症になりそうなあらすじ。現在と二年前を交互に描きながら時間軸が徐々にリンクし、ぐいぐい引き込まれる伊坂さんのうまい仕掛けが光る一冊です。個人的には現在と二年前で冒頭や文末の文章をシンクロさせている遊び心が大好きですね。よく映画化できたなと感心してしまう、小説ならではの叙述トリックも見どころ。
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タイトル | アヒルと鴨のコインロッカー |
出版社 | 東京創元社 |
単行本刊行 | 2003年11月 |
文庫本刊行 | 2006年12月 |
シリーズ作 | なし |
映画化 | 2007年6月 PrimeVideo U-NEXT |
オーディオブック | 対象外 |
-
- 叙述トリック
- 5
-
- キャラクター
- 4
-
- 伏線回収
- 5
-
- ユーモア
- 4
-
- シリアス
- 4
第2位『ゴールデンスランバー』(42票)
第2位は伊坂さんの代表作『ゴールデンスランバー』。3位とはいっきに票が開きました。この作品はとにかく逃げて逃げて逃げまくる逃走劇。不条理に立ち向かう主人公・青柳の不屈の精神に胸をうたれ、グッとくるものがあります。緻密な伏線回収ももちろん楽しいのですが、本作は結末を描きすぎずにその後を想像できるだけの余白があるところが大好きです。僭越ながら伊坂さんにも「大変よくできました」を差し上げたいですね。
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タイトル | ゴールデンスランバー |
出版社 | 新潮社 |
単行本刊行 | 2007年11月 |
文庫本刊行 | 2010年12月 |
シリーズ作 | なし |
映画化 | 2010年1月 PrimeVideo U-NEXT |
オーディオブック | 対象外 |
-
- 諦めない心
- 5
-
- キャラクター
- 4
-
- 伏線回収
- 3
-
- ユーモア
- 3
-
- シリアス
- 5
第1位『マリアビートル』(46票)
堂々の1位に輝いたのは、殺し屋シリーズの2作目「マリアビートル」。投票した皆様おめでとうございます!!この作品がすごいのは文庫で約600ページの長編でありながら、ずっと東北新幹線の車内だけで繰り広げられる濃厚な密室サバイバルであるところ。読み応えが格別です。七尾や蜜柑といった個性的なキャラクターもとっても魅力的。展開のスピード感、メッセージ性、緻密な伏線回収。何をとってもバランスがいいので納得の1位!エンタメ小説の終着点と言える完成度!!殺し屋たちの共演、いや狂宴を味わい尽くせ!!!
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タイトル | マリアビートル |
出版社 | KADOKAWA |
単行本刊行 | 2010年9月 |
文庫本刊行 | 2013年9月 |
シリーズ作 | 殺し屋シリーズ |
映画化 | 2022年9月 PrimeVideo U-NEXT |
オーディオブック | 対象 audible |
-
- 疾走感
- 5
-
- キャラクター
- 5
-
- 伏線回収
- 5
-
- ユーモア
- 4
-
- シリアス
- 4
まとめ:伊坂幸太郎大賞の振り返りと分析
全投票結果の一覧
ではもう一度ランキングを振り返りましょう。11位以下の作品も投票数をまとめています。
順位 | 装丁 | タイトル | 投票数 |
---|---|---|---|
1 | マリアビートル | 46票 | |
2 | ゴールデンスランバー | 42票 | |
3 | アヒルと鴨のコインロッカー | 33票 | |
4 | 死神の精度 | 30票 | |
砂漠 | 30票 | ||
6 | 重力ピエロ | 26票 | |
7 | オーデュボンの祈り | 23票 | |
8 | 陽気なギャングが地球を回す | 20票 | |
9 | チルドレン | 18票 | |
10 | ラッシュライフ | 14票 |
11位以下の結果を見る
11 | AX | 13票 |
12 | 逆ソクラテス | 12票 |
13 | グラスホッパー | 11票 |
14 | 魔王 | 10票 |
アイネクライネナハトムジーク | 10票 | |
16 | 終末のフール | 9票 |
ガソリン生活 | 9票 | |
18 | オー!ファーザー | 7票 |
19 | バイバイ、ブラックバード | 6票 |
ホワイトラビット | 6票 | |
21 | モダンタイムス | 5票 |
22 | 死神の浮力 | 4票 |
フーガはユーガ | 4票 | |
24 | フィッシュストーリー | 3票 |
777 | 3票 | |
26 | 陽気なギャングの日常と襲撃 | 2票 |
あるキング | 2票 | |
残り全部バケーション | 2票 | |
火星に住むつもりかい? | 2票 | |
シーソーモンスター | 2票 | |
31 | SOSの猿 | 1票 |
仙台ぐらし | 1票 | |
夜の国のクーパー | 1票 | |
陽気なギャングは三つ数えろ | 1票 | |
クリスマスを探偵と | 1票 | |
クジラアタマの王様 | 1票 | |
ペッパーズ・ゴースト | 1票 | |
38 | 実験4号 | 0票 |
3652 伊坂幸太郎エッセイ集 | 0票 | |
PK | 0票 | |
首折り男のための協奏曲 | 0票 | |
キャプテンサンダーボルト | 0票 | |
ジャイロスコープ | 0票 | |
サブマリン | 0票 | |
マイクロスパイ・アンサンブル | 0票 |
投票の傾向
単行本が刊行された年代別に投票を集計してみました。これを見ると一目瞭然。初期作品に投票が集中していますね。
注目すべきは今回のランキングの1位「マリアビートル」(46票)と2位「ゴールデンスランバー」(42票)が、どちらも2006~2010年に刊行されているという点です。(棒グラフの上から2番目)
つまり、2000年~2005年に刊行された超初期作品がいずれも安定して票を集めているのです。
単純に刊行から時間が立ち、読者の母数が多いこともあると思いますが、やはり今回の企画に投票いただいた読書家さんたちは初期の名作からのファンが多いのでしょうね。初期作強し!
さいごに
投票にご協力いただいたXユーザーの皆さま、ここまでお読みいただいた読者の皆さま。そして伊坂幸太郎作品を愛するすべての読書家さま。
10,000文字を超える記事にお付き合いいただきありがとうございました。
改めて感謝いたします。もしこの記事が面白いと感じていただければ、Xでコメント・拡散などいただけると企画を行った励みになるのでとても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
伊坂幸太郎さんのaudible聴き放題対象作(刊行順)
- グラスホッパー
- 死神の精度
- マリアビートル
- 死神の浮力
- アイネクライネナハトムジーク
- AX
- クジラアタマの王様(今後配信予定)
- 逆ソクラテス
- ペッパーズ・ゴースト
- マイクロスパイ・アンサンブル
- 777
\ 初回30日間無料 /
30日間無料キャンペーン実施中
- 2022年1月より聴き放題に生まれ変わったAmazonオーディブル
- 聴き放題対象作品は本屋大賞「成瀬は天下を取りにいく」を含む12万作品以上
- 家事をしながら、通勤しながら、忙しい人でも「ながら読書」で続けられる
- 無料体験期間内に解約すれば一切料金は発生しません(いつでも退会可能)